夏の天の川を撮る







黄砂のせいで連日砂まみれだったが、ようやく新月近くになって澄んだ星夜がやってきた。
惜しむらくは夜明けが早く、あっという間に朝がやってくることだ。

少々黄砂が残り、霞んではいるが、この春一番の星空に恵まれた夜。
2台のカメラをそれぞれ赤道儀にセットする。

こちらは単焦点20mm。
開放F値は1.8だが、星空撮影ではF2で撮ることが多い。
F2.8のレンズと比べて1段以上明るいこのレンズは、定評あるGシリーズのレンズ。レンズの明るさは星空撮影にとって正義だなぁと使用する度に思う。
星野追尾撮影で使用する上で、収差の補正という観点からは決して完璧ではないかもしれない。しかしこの明るさで、この軽さ、そして何よりもこの描写。自信を持って推奨できるレンズである。

間もなく発売される FE 14mm F1.8 GM。
GMシリーズであるだけに星野追尾撮影で使用する期待も大きいが、使用する機会を得てから紹介したい。

右の山際にさそり座。
1等星のアンタレスが赤く輝き、天の川の左にはわし座の1等星アルタイルがいるか座を従えて輝いている。
前回は月明かりが邪魔をしたが、この夜は月もなく見事な天の川。

中国のことわざに「走马观花」という言葉がある。
所謂「馬上の花見」。
山村に暮らして40年以上になるが、考えてみればじっくりと星空を眺めるようになったのは、ようやくここ20年くらい。
いつもあるもの、と思っては見過ごすものもある。
一瞬の光の輝きを、いつまで見られるかわからない不安を抱えながらも、見続けられたら幸せというべきだろう。




2021年5月11日02時00分撮影
α7RM2+FE 20mm F1.8 G、20mm、ISO1600、f2、30秒×8枚をダーク減算後加算平均コンポジット、PRO1D プロソフトン クリア(W)使用、長秒時ノイズリダクションなし、Raw、赤道儀で恒星追尾撮影